この記事は理論解説ではなく、実際の相談窓口記録です。初心者が遭遇しやすい順に10個の質問を並べ、サブスク・ポート・モード・カーネルの4グループに分けています。各質問はまず対処法を示し、その後に理由を補足する構成です。時間がない場合は下の一覧表だけ確認して該当箇所へ飛んでください。理由まで理解したい場合は、対応する節を読み進めてください。
| 質問 | 結論を一言で |
|---|---|
| サブスク読み込み失敗 | リンクを丸ごと再コピー。更新前にプロキシを有効化するかモバイル回線に切り替える。リンクがリセットされていたら管理画面で再取得 |
| ノードの更新頻度 | 手動で更新するか、自動更新を有効にして間隔を24時間に設定 |
| 遅延テストが全てタイムアウト | ノード全滅とは限らない。1つ選んで実際に接続してから判断する |
| ポート7890が使用中 | 使用中のプロセスを特定して終了、または混在ポートを7897など空きポートに変更 |
| 一部のソフトがプロキシを経由しない | 該当ソフトに127.0.0.1:7890を手動設定、またはTUNモードで全体を制御 |
| シャットダウン前にシステムプロキシを切るべきか | 切るべき。切らないと次回起動時にネット全体が繋がらなくなる恐れあり |
| 3つのモードの使い分け | 普段はルールモード固定、グローバルモードは検証時のみ一時使用 |
| 中国本土のサイトがむしろ遅くなる | ルールモードに戻し、GeoIPとGeoSiteのデータベースを更新、低遅延ノードに切り替え |
| Clashとmihomoどちらを選ぶべきか | 選ぶ必要なし。主要クライアントはメンテナンス中のカーネルを標準搭載しており、そのまま使える |
| 設定ファイルを編集すると元に戻される | 設定画面またはオーバーライド機能で編集する。クライアントが生成するファイルを直接編集しない |
1. サブスクとノード:読み込み失敗・更新頻度・タイムアウトの判断
1. サブスクリンクの読み込みに失敗し、ダウンロード失敗と表示される場合の対処法
発生頻度が高い順に、以下の4ステップを試してください。
- リンクのコピーが不完全。サブスクアドレスは通常かなり長く、末尾にトークンパラメータが付くため、手動選択でコピーすると末尾が欠けやすいです。プロバイダーのページにある「サブスクをコピー」ボタンを使い、自分でドラッグ選択しないでください。
- サブスクアドレス自体がプロキシ経由でしかアクセスできない場合。一部のサブスクサーバーは直接接続では到達できません。まずクライアントでシステムプロキシを有効にしてから更新を実行し、利用可能なノードが一つもない場合はモバイル回線に切り替えて再試行してください。
- リンクがリセットされた場合。プロバイダーの管理画面で「サブスクをリセット」を実行すると、旧リンクは即時無効になるため、新しいリンクを再コピーして読み込む必要があります。
- システム時刻のズレが大きい場合。時刻がずれているとHTTPS証明書の検証に失敗するため、システム時刻を修正してから再試行してください。
リンクにはアカウント識別子とトラフィック権限が含まれているため、グループチャットやフォーラム、公開ドキュメントには貼らないでください。流出の疑いがある場合は、プロバイダーの管理画面でサブスクをリセットすれば旧リンクは即時失効します。
2. ノード一覧はどのくらいの頻度で更新すべきか?手動と自動どちらが良いか
サブスクは一度読み込んで終わりではありません。プロバイダー側でノードの追加・削除やエントリーアドレスの変更が行われるため、クライアントは定期的に最新の一覧を取得する必要があります。方法は2つ:サブスク管理画面で「更新」ボタンを押して即時取得するか、設定で自動更新を有効にし、間隔は24時間を推奨します。更新はノードと振り分けルールのみを更新するもので、プロキシモードやポートなどのローカル設定は変更されないため、安心して実行できます。
3. 遅延テストが全てタイムアウト(Timeout)表示、ノードは全滅なのか?
必ずしもそうではありません。遅延テストの仕組みは、クライアントが各ノードを経由してテストアドレス(通常はgstaticの204ページ)にリクエストを送るもので、失敗する理由は主に3つあります:テストアドレスが現在のネットワークから到達不可能な場合(設定で別のテストアドレスに切り替え可能)、ローカルネットワーク自体が不安定な場合(モバイル回線に切り替えて再テスト)、そのノードが実際に利用不可な場合です。判断基準はただ一つ:数値だけを見ず、実際にノードを選択してグローバルモードでWebページにアクセスしてみることです。開けるなら使用可能ということです。テスト結果が全て赤でも実際は接続できるケースは、新しい端末では非常によくあります。
2. ポートとシステムプロキシ:7890使用中・効果なし・シャットダウン後の復元
4. 起動時にポート7890が使用中と表示される場合の対処法
7890は多くのClashクライアントの既定の混在ポート(HTTPとSOCKSプロキシを共用)です。「address already in use」と表示される場合、他のプロセスがそのポートを占有していることを意味し、最もよくある原因は前回のクライアントが完全に終了しておらず、バックグラウンドにカーネルプロセスが残っていることです。対処法は2通りです。
1つ目は占有プロセスを特定して終了する方法です。Windowsではコマンドラインで以下を実行:
netstat -ano | findstr :7890出力の最後の列がPIDです。タスクマネージャーでこのPIDのプロセスを見つけて終了してください。macOSとLinuxでは以下を実行:
lsof -i :78902つ目はポートを変更する方法です。クライアント設定で混在ポートを7890から7897など空いているポートに変更し、保存後カーネルを再起動すれば完了です。同様に、9090は外部コントローラー(external-controller)の既定ポートで、エラーが9090を示している場合はこちらを変更してください。
5. システムプロキシは有効なのに、一部のソフトだけプロキシを経由しないのはなぜか
システムプロキシの仕組みは、プロキシアドレス(127.0.0.1:7890)をOSのネットワーク設定に書き込むというものです。「システムプロキシに従う」ソフトだけがこの設定を読み込みます。ブラウザや多くの一般的なソフトは対応していますが、一部のダウンロードツール、ゲームクライアント、コマンドラインツールは無視します。対処法は2つあります。
- そのソフト自身のネットワーク設定でプロキシを手動入力する:アドレスは127.0.0.1、ポートは7890、種類はHTTPまたはSOCKS5を選択。
- ソフトがプロキシ設定に対応していない場合はTUNモードに切り替える:クライアントが仮想ネットワークカードを作成し端末全体のトラフィックを制御するため、ソフト側がシステム設定に従うかどうかに依存しません。TUNモードにはサービスモードのインストールまたは管理者権限の付与が必要で、クライアント設定の案内に従って一度操作すればOKです。
6. シャットダウン前にシステムプロキシを切るべきか
切るべきです。システムプロキシは「トラフィックを127.0.0.1:7890に渡す」という設定であり、シャットダウン時にクライアントが既に終了していてもスイッチがオンのままだと、次回起動時もOSはトラフィックを7890に送りますが、そこにはリスニングしているプログラムが存在しないため、「起動後にすべてのWebページが開かない」という状態になります。多くのクライアントは正常終了時にシステムプロキシを自動で元に戻しますが、強制終了や電源断のような場合は元に戻す機会がありません。起動後にネットに繋がらない場合は慌てず、システム設定 → ネットワーク → プロキシで「プロキシサーバーを使用する」をオフにすればすぐに復旧し、その後クライアントを起動してください。
プロキシのスイッチが指しているのはローカルポートであり、クライアントが必ず稼働している必要があります。クライアントがいないならスイッチは必ず切ってください。
3. プロキシモードと振り分け:モードの選び方・中国本土サイトの速度低下
7. ルール・グローバル・直接接続の3モード、普段はどれを使うべきか
結論を一言で:普段はルールモード固定です。ルールモードは振り分けルールに基づき1件ずつ判定し、海外向けトラフィックはノード経由、中国本土向けは直接接続と両立できます。グローバルモードは全トラフィックをノード経由にするもので、「ルール判定が誤っているか」を検証する際に一時的に使うだけにしてください。直接接続モードはプロキシ効果をオフにするのと同義で、対照テスト用です。3モードはいつでも切り替え可能で即時反映され、クライアントの再起動は不要です。切り替え入口は通常クライアントのホーム画面かトレイメニューにあります。
8. プロキシを有効にすると、中国本土のサイトがむしろ遅くなったり、動画アプリの読み込みが異常になる場合
9割はモードまたはルールの問題です。以下の順に確認してください。
- まず現在グローバルモードになっていないか確認——なっていればルールモードに戻すのが最も多い原因です。
- ルールモードでも異常が続く場合は、振り分けデータベースが古い可能性があるため、クライアント設定でGeoIPとGeoSiteのデータベースを更新してください。
- ノードの遅延が高いと全体の体感速度が落ちるため、遅延テストを実施し、より低遅延のノードに切り替えてください。
- 一部の銀行や行政系アプリはネットワーク環境をチェックするため、それらのドメインを直接接続ルールに追加するか、利用時のみ一時的に直接接続モードに切り替えてください。
4. クライアントとカーネル:mihomoとの関係・設定が元に戻される問題
9. ClashとmihomoClash Meta)はどういう関係か?どちらを導入すべきか
Clashは最も初期のオリジナルカーネルで、2023年に開発者がリポジトリを削除して更新停止となりました。mihomo(旧名Clash Meta)はコミュニティが既存コードをベースにメンテナンスを続けているフォークで、プロトコル対応やルール機能がより充実しており、現在主要クライアントに標準搭載されているのはmihomoです。初心者向けの結論:カーネル選びに悩む必要はありません。ダウンロードページで提供されるクライアントには既にメンテナンス中のカーネルが同梱されており、インストールすればそのまま使えます。個別にカーネルをダウンロードしたり置き換える必要はありません。
10. config.yamlを直接編集したのに、再起動すると元に戻されるのはなぜか
GUIクライアントは設定ファイルを「生成物」として扱います。起動時やサブスク更新時に、クライアントは自身の設定に基づいてconfig.yamlを再生成するため、手動で編集した内容は即座に上書きされます。正しい対処法は3つあります。
- ポートやシステムプロキシなどの一般的な項目は、クライアントの設定画面で変更し、クライアントに生成プロセスへ反映させてください。
- 独自のルールを注入したい場合は、クライアントが提供するオーバーライド機能(クライアントによって呼び方が異なります:グローバル拡張設定、Merge、Overrideなど)を使用し、そこに独自内容を記述すれば、クライアントが設定を生成する際に自動的にマージされます。
- どうしてもYAMLを直接手書きする必要がある場合は、インデントに半角スペースのみを使用し、タブは使わないでください。混在すると解析エラーになります:
rules:
- DOMAIN-SUFFIX,example.com,DIRECT
- GEOIP,CN,DIRECT
- MATCH,PROXY
5. 10問以外:それでも解決しない場合
10個の質問で全てのケースを網羅することはできませんが、調査の手順は共通です。クライアントが理解できないエラーを表示した場合は、まずクライアントのログ画面を開き、レベルをinfoに設定し、時系列で最初のwarningまたはerrorを探してください。エラー文には通常、タイムアウト・解析失敗・ポート使用中など固定の言い回しで原因が直接書かれています。用語が分からない場合は用語解説で概念を確認し、インストールと設定の手順を章立てで確認したい場合は使用ガイドに従って一つずつ進めてください。エラー原文を読み解くほうが、あちこち質問するより早く解決できます。